こんにちは、ドラ蔵です。
今回はナイキの厚底シューズについて書いてみようと思う。
ランニング好きなら触れずにはいられない部分ではなかろうか。
数多のランナーが示し合わせたようにピンクの分厚い靴を履いている訳だから、
そりゃ気になるよね。カラーもキャッチーだし。
因みに、プロアスリートだけでなく、一般のランナーにもかなり浸透している。
独特なフォルムと走りやすさに対して、病みつきになるのか。
それとも、ただのミーハーか。
多分後者が大半だと思われる(ドラもそう)。
そこで、今回はナイキのシューズの何が問題なのか、経緯を書いて見る。
この記事はナイキ問題に詳しくなりたい方向けの記事になります。
コンテンツ
ナイキの厚底シューズ、規制の声が高まった経緯(in世界)
前提として、ナイキの厚底シューズの変遷として、
2016年、「ナイキヴェイパーフライ4%」
2019年、「ナイキヴェイパーフライネクスト%」
とモデルが進化してきた経緯がある。
まず、2017年ごろから世界の主要大会の優勝、そして上位者のシューズがNIKEで独占されるようになる。
↓
それまでは薄底の靴が常識だった中で、厚底のあのシューズ(しかも色が派手)
「あの靴はなんや!」てなり、みんな調べだす。
↓
モデル名と価格帯、シューズの構造等が明らかになる
↓
シューズドーピングじゃね?ずるくね?と騒がれ始める
↓
NIKE「ただのカーボンですよ、ずるくないっすよ?」と回答
て流れをかれこれ2018年ごろから2年近く展開している。
そして、その間もますますNIKEのシューズはマラソン界を席巻、
トップランナーがこぞって履くものだから、マーケティングが更にうまくいく。
↓
ますます履く人が増える
という好循環。たまらないくらいの好循環と言える。
ただ、あらゆる記録が急激に塗り替えられたり、あまりにも同一のシューズ着用者ばかりが優勝することから、流石に何かしら「規制せな!」となっていった。
そもそもシューズとしての価格帯が高い(3万前後、一般的なシューズの2倍)
航空宇宙分野に採用される特殊素材使用=大量生産不可
てところも、手に入りやすいという点で見れば△という評価になるのだろう。
かわいそうなNIKEさん・・・
ナイキの厚底シューズ、日本でのブームの流れ
きっかけは2018年の東京マラソンにある。そこでHONDA所属の設楽悠太さんが日本記録を16年ぶりに更新。
記録:2時間6分11秒
実に16年もの歳月をかけた日本記録更新。報奨金1億円という数字にも驚くが、記録更新を支えた要因として、
当時のナイキ ズーム ヴェイパーフライ4%が注目されるようになる。
また、同年10月、アメリカのシカゴマラソンにおいて、NIKE所属の大迫傑さんにより、再び日本記録は更新。
結果:2時間5分50秒
16年破られなかった記録が、同年2度も更新されたことと、2人の足を支えていたのがNIKEの靴であったことから、一気に注目度が増していった。
勿論、前述の通り、世界の主要なマラソン大会において、優勝者が揃いも揃ってNIKEだったこともあり、アスリートの中ではプチブームになっていたんだけどね。
ただ、一般の我々が目にする機会が多いのは、やはり
お正月の風物詩「箱根駅伝」ではなかろうか。
平均して関東では27%前後の視聴率を叩き出すおばけコンテンツのあれ。
何が楽しいのかわからないまま、幼少期からテレビで見ていた方も多かろう。
2019年の箱根駅伝では実に41%選手がNIKEを着用。
そりゃ必然的に目に入るよね〜。しかも早いし。
そこで優勝した学校の選手がみんな履いているものだから、
そりゃ注目集めますよ、はい。
で、
「あれ、これNIKEの流れきたんじゃね?」と思っていたところ
国内でMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)が開催される。
これはマラソンオリンピック代表選考会で、
簡単に言えばマラソン天下一武道会。
ごめんドラゴンボール知らない。
そこで、前述の設楽さんやら大迫さんやらを始め、国内のトップランナーがこぞって履いていたことで更に更に注目度が高まった。
NIKEさんから見ればもはやパラダイスであろう。笑いが止まらない、どうにもとまら(以下略)。
MGCで「みんな履いてたピンクのシューズ」として注目が俄然UPし、
むかえた箱根駅伝2020。
いや〜、青山学院強かったねぇ。選手の区間配置が絶妙!
てことを言いたいのではなく、なんとNIKEのシューズ着用率がなんと
85%という圧倒的な数字。
しかも、区間記録更新ラッシュ。見ている人間が若干引くくらいに。
そんな経緯で以って、このニュースへの注目度は増えていった訳です。
加熱した報道と、その後の世界陸連の対応
結局として、NIKEの靴問題に関しては
現行発売されているモデル:OK
今後発売予定のモデル:NG
という形になってしまった。
今後発売される予定のモデルというのは、その名も『アルファフライ」
2019年10月、人類初のフルマラソン2時間切りを目指すナイキのプロジェクト
「BLEAKING2」において、非公認ながら2時間切りを達成。
そこで履かれていたのは「アルファフライ」のプロト品。
なんでもカーボンプレートが3枚入っていて、更に厚底ならぬ超厚底という
昔のギャルも驚きの展開である。
気になる人はぜひ画像ググって欲しいが、とてもマラソンシューズには見えない。いや、ホントに。
で、先日陸連が発表して規制のルールとしては
1:カーボンプレートは1枚まで
2:シューズかかと部分の厚さは4mmまで
3:4月30日以降、大会前4ヶ月以上、市販可能状態を実現
という条件を打ち出した。いや、やってくれましたね。
まぁ今までバネを入れてはいけない、というくらいで、
靴の厚さ等に関しては明確な基準がなかったから、多少は線引きが出来たことは良かったのではないかと思う。
実際、同じ陸上だと
短距離の方がはるかに先んじて明確な規制がなされている訳で。
長距離分野が遅いくらいかもしれない。
高まる市民人気と、テクノロジーありきの論調について
実際使う人は本当に増えている。
近所をランニングしていても、よく見かけるようになったし、
原宿のNIKEショップでも多くの人が試着していた。
しかも別段ガチランナーでもなく、
いかにもそこまで走ってなさそうな人も履いている。
実際、その靴を履いて「走るのが楽しい」と思えるのであれば、
それはとても良いことだろう。
シューズメーカー冥利に尽きるのではないだろうか。
もちろんランニング仲間が増えるのも嬉しい。
そして先日(1月26日)館山でフルマラソンを雨の中走った訳だが(寒かった)
やはりナイキの話題のシューズ着用者は本当に多かった。
実際マラソン中暇だから数えてみたりした。
というのは嘘だが、明らかに目にする機会は去年より増えた。
今回の報道の中で残念に思うのは、いかにもシューズによって記録が生まれたという言い方をされていたことである。
規制推進派としては、当然不公平を産みたくないから、そのような理屈になるのはわかるのだが
記録は選手の実力がなくてはやはり達成しない。
そこを無視して、選手の努力そのものをなかったことのようにする論調はもう少しどうにかならないものだろうか。
純粋にテクノロジーの進歩を喜べないのは悲しいところよね、
と思うドラ蔵でした。
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