駅員の寝坊対策と、寝坊した時の処分についての話

駅員の寝坊対策と寝坊した際の処分についての話 鉄道ネタ

こんにちは、ドラ蔵です。いかがお過ごしでしょうか。
駅員が寝坊すると、報道で取り上げられるなど大きな反響を呼びますね。実際、駅員が寝坊するとシャッターが開かず、移動ができないなど影響もそれなりにある。

では、駅員の寝坊についてどのような対策をしているのか、また駅員が寝坊するとどのような処分になるのか気になる方も多いのではないか。

そこで、鉄道の現場を経験した私が実情を伝えようと思う。

駅員が寝坊をすると影響は大きい

駅員が寝坊をすると、上記のように報道されるケースがしばしば。ただし、報道されない裏でもたくさんの人が寝坊をしている。報道されるケースは概ね以下に尽きる。

シャッターを開ける人が寝坊をした場合

そう、「シャッター開けの担当が寝坊をする=駅へ入れない=始発で通勤する人への影響大」
となる訳です。事実、駅のシャッターが開いていれば中の人が寝坊してようと、利用者には何も影響がないからね。

その証拠に、駅が開いている状態での寝坊のニュースは、乗務員以外聞かないでしょ?

駅員が寝坊をする原因は二度寝がほとんど

駅員における寝坊の主たる要因は二度寝です。駅員はともかくハードワーク。乗務員のように電車に乗ってれば仕事が終わるわけではなく、24時間拘束され、接客や金銭も扱うわけで・・・大変さは想像に難くない。

さらに「疲れたなぁ」と思ったところでいい加減な接客になってしまうと、暴力沙汰になるなど苦労も絶えないわけです。暴力についてはリンクの記事でもどうぞ。
【駅員への暴力対策】JR東日本が駅員へウエアラブルカメラ装着へ

なぜ二度寝をしてしまうのか、以下により考察。

 

寒いから

ありきたりだけどあるあるな理由は「寒いから」。寒いと布団から出られないでしょ?で、目覚ましをセットして起きたは良いものの、もう一度布団に入り・・・・というパターン。駅員も人間ですからね、そりゃ寒い日は起きるのが辛いのよ。

前日電車が乱れて眠れなかった

駅員の睡眠時間は大体4時間ほど。女性の場合化粧などもあるので、これより少ないこともあるだろう。つまりほとんど仮眠なので、ガッツリ寝ることは出来ない。

素直に寝れたとしても4時間くらいな訳だから、人身事故や荒天による運転見合わせなどが発生した暁には、もちろん眠ることは出来ない。ほとんど徹夜することになることもザラなので、目覚ましごときでは簡単には起きれないのも納得である。

体調不良

体調が悪い際も要注意。体調が悪い際は、身体はむしろ繊細な感覚なのだが、問題は薬である。眠くなるような成分が含有されていると、簡単には起きられない。予め自己申告をするなど予防策は必要だが、他に起こす人がいなければ、そのまま始発の時間になってしまうよねぇ・・・

駅員の寝坊対策

では、駅員は寝坊対策としてどのような策を取るのだろうか。上記で述べた原因は、自身や周囲の人の犠牲を糧に、駅員としても把握しているわけです。具体的な対策は以下になる。

目覚ましを複数セット

定番である目覚まし複数セット。まずは基本的な対策と言える。携帯のアラームにプラスして、自前の目覚まし時計を持ち込んで起床時に合わせてセットする人もいる。

セットする際は、体を起こさないと止められないように、布団から離れたところへ目覚ましをセットするのがGoodです。そうすれば二度寝を防ぐ確率も上がる。

起床装置を使用する

駅の勤務の場合、隣の部屋では違う担務を担当する人が寝ていることも多く、音が鳴るタイプの目覚ましでは後で小言を言われるなどのトラブルにもなりかねない。

そこで使用するのが起床装置である。鉄道員の切り札とも言われ、通称「起こし太郎」とも言うとか言わないとか・・・

簡単に手順を説明すると、布団に起床装置がセットされており

1:起床時間をセット
2:時間になると、体の腰のあたりから布団が膨らむ(体が水平からハの字になるように)
3:不快感でもれなく起床!Good!
となる。

起床装置は、体勢の不快感と、布団が膨らむ独特の音で見事に鉄道員の生活を支えているのだ。ちなみに起床装置は電源を入れなければただの布団の為、電源入れ忘れによる寝坊もチラホラ存在する。

気になる人はぜひ買ってみてください。二度と起床装置を使う生活はしたくないですが。https://www.jreastmall.com/shop/g/gS001-112461/

起床確認の電話をする

駅によっては一人しか対応していない駅もある。小規模な駅であれば、都会のようにたくさんの駅員がいることは稀であり、一人でせっせせっせと勤務している訳だ。大体乗降が少ないなどの事情はあるけれども。

一人勤務の駅の場合、起床確認をする術はないのかというと、決してそんなことはない。いくつかの小規模の駅を、沿線の大きな「管理駅」によって統制する仕組みとなっており、毎朝シャッターを開ける際は周辺の駅に「起きたかー?」と確認をしているわけです。

確認の励行は鉄道業界の基本ですからね。

駅員が寝坊をした際の処分について

さて、駅員の寝坊について述べてきたわけだが、駅員は寝坊をした場合、どのような処分を受けるのか以下に書いておこうと思う。(私は寝坊したことはないので、あくまでも伝聞です。)

 

事情聴取

寝坊をした際は、まずは報告及び事情聴取から始まる。

「なぜ寝坊したのか」「対策はしていたのか」「体調はどうだったのか」「家庭面で悩み等はないのか」など細かな事情聴取と今後の対策について2時間ほど行われる。当然残業にもなる。

そして「私は反省しています、申し訳ございません」と紙でも口頭でもしっかりと謝罪する。場合によっては泣いている人もいる。

更に寝坊の事実は沿線の駅にも周知され(個人名はマスクをかけているが)、皆がまた一つ屍を越えていくことになる。

減給処分

処分としては、ほとんどが減給となる。具体的にはボーナスでマイナス査定がつく形かな。

常習犯であれば、「泊まり適正なし!」として日勤オンリーの仕事へ鞍替えすることもある。クビになることはほとんどないだろう。

社内試験に受からない

遅刻にも言えることだが、昇進試験や乗務員への試験を控えている場合、寝坊や遅刻した年度の試験は「絶対に受からない」。

足掻いても無駄とさえ思う。本当にどれだけ頭が切れる人でも一回の寝坊で試験がパーです。試験を控えている年度では絶対に寝坊や遅刻はしないことです。

そして仮に受かったとしても、社内の履歴書に「〇〇年、〇〇駅勤務時、起床遅延(寝坊のこと)あり」と一生残ることになる。

鉄道会社は時間を生業としているため、本当に厳しいのでこれから入社する方は肝に銘じてください。

まとめ

駅員の寝坊について解説をしてきました。基本的に駅員側で寝坊対策をしているものの、やはり人間なので起きられないこともある。

そして寝坊をすると社内の履歴書には一生残るわ、減給されるわ、試験は受からないわと良いことはない。間違っても寝坊と遅刻はみなさんしないでください。

あと、プライベートで起床装置使っている人いたら連絡ください、興味あるので笑

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